真の出会いの場
2021年1月26日
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旧約聖書のヤコブは、カナンの地を襲った飢饉のために、とても躊躇っていたエジプトへ、家族を連れて降って行くと決心した。それは、エジプトに、死んだと思っていた愛する息子ヨセフが生きているという知らせを聞いたからである。死ぬ前に一度息子の顔を見たいと思ったのだ。けれども、この決心によって、ヤコブの家族がエジプトで五百年間も奴隷として生きることになる。しかし、このヤコブの決心を神が勧めておられる。「わたしは神、あなたの父の神である。エジプトへ下ることを恐れてはならない。わたしはあなたをそこで大いなる国民にする。わたしがあなたと共にエジプトへ下り、わたしがあなたを必ず連れ戻す」(創46:3~4a)。
神が勧めながら一緒にいてくださるところ、そこは、わたしたちの理解と感覚的満足を超える。初めから理解しやすく、快適な場所ではない。わたしたちにとってなじみのない、まったく不快な場所、出来れば避けて通りたいところで出会ってくださるのである。それが、イエスの十字架のもとであり、きっと人はそこで再生し、新たな歩みへと生かされる。この神と出会って生きるか、わたしの感覚的なものによって生きるか、その選択はわたし自身に委ねられている。