子どものようにならなければ

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今年も幼稚園のクリスマス礼拝の中で聖誕劇が披露されました。年長組が劇を演じ、年中組と年少組も賛美を歌うことで劇に加わりました。現代風のダンスを踊る子どもたちの姿は何とも可愛いらしくて微笑ましく、前歯が抜けた天使のお告げの姿は、天使の存在を身近に感じさせてくれました。

舞台の上では、マリアとヨセフを中心に、天使や羊飼い、遠い国から訪れた博士たち、ロバや羊、赤ん坊のイエスさまが寝かされている飼い葉おけ、それらが聖書のイエス・キリストの誕生物語をリアルに現わしていました。一人で自分の役割を十分担えない友達の手をさりげなく引き、一緒に役割を演じる子どもの姿は、婚外の子を身ごもったという偏見にさらされながら住民登録のために遠い旅の途上にあったマリアとヨセフを思わされました。死罪に値するほど律法を犯した身重の妻を守って支えるヨセフの暖かい愛が、救い主の誕生を実現させているように思わされたほど、この劇は共に生きるということの意味を自然に示してくれたのでした。

これまで、私は、何十回も降誕物語を読んで、それについて説教してきました。しかし、子どもたちがありのままの姿で演じるこの物語は、今まで、私が自分にとって都合のいい逃げ道を作っていたこと、そんな心の深いことまで指摘してくれました。すなわち、正しい人と言われていたヨセフが、正しくない人マリアと共に生きることを選び取り、黙々と仕えるその姿は十字架のキリストの愛の姿と重なって、その愛が私に注がれていることに気づかされたのです。それは、人の正しさの中に安住しようとしている自分への気づきでした。「はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない」(ルカ18:17)と言われたキリストの言葉のリアリティは、子どもだけに現すことが許されていることなのかもしれません。

もうすぐクリスマス。近づいて来られる救い主のリアリティを真っ先に知らせ、頑なな私の中に神の国を到来させ、感動の涙を流すまで降誕物語を伝えてくれた子どもたちに感謝します。そして、そのためにコロナ禍の中で細かいところにまで気配りをしながら導いてこられた幼稚園の先生たちに心から感謝いたします。本当にありがとう!

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