出逢い

所有していたものを失ったとき、
けっこうショックを受ける。
奪い取った人を憎んだり、
失う状況を作った相手を非難したりする。
物だけでなく、人との関係においても、
長く付き合った人と別れた時の悲しみは大きい。

しかし、考え方を変えてみれば、
本来の自分に戻っただけなのだ。
もともと、私は何も持たないで生まれ、
その状況や条件に合わせて与えられたり
出会わせていただいたりしていたのだ。
だから、物を失ったり、人と別れたりしても、
本来の自分に戻っただけなのだと思えば
むしろ、その間所有する喜びをくれたり、
付き合いができたことに感謝できる。

だから、今私にあるものを自分のものだと握りしめたり、
永遠に一緒にあるものという思いで執着しないで、
今の私の都合にあっていっしょさせてもらっているもの、
やがて状況が変われば他のところに移されるものと知れば
失ったり別れたりすることで振り回される歩みはしなくなる。

むしろ、これから与えられる新しい出逢いに心がときめくのでは…