議長だより(教会だより2021年9月号)
2021.10.19
議長だより
今年4月の教団総会で、教団議長になりました吉田達臣です。これから3年間よろしくお願いします。
最近読んだ本で、「人権を創造する」という本なのですが、帯に「共感の力がひらいた人権の歴史」と書かれていました。18世紀ルソーなどから人権の思想が芽生えていき、アメリカの独立宣言、フランス革命の人権宣言などに結実していきます。その本の中で、人権思想の下地になったのは、小説の普及だと書かれていました。人々が小説を読むようになり、小説の中の自分と違った階級、自分と違った性別、自分と違う立場の登場人物に出会い、感情移入し、好きになり、幸せを願うようになったことで、人権という意識が芽生え始めたといいます。私たちも、小説を読んだり、映画を見たり、テレビでドラマや、ドキュメンタリー番組を見て、思いもかけない人に感情移入するようになり、関心を持つようになり、時には、決してほめられた生き方ではない人にも、救われてほしい、幸せになってほしいと思うようになることがあります。隣人になる、隣人を愛するって、こんなところからも生まれ、こんな風にも生まれるのだと思わされました。
この3年間の教団のテーマは「自分の教会を愛するように、隣の教会を愛する」です。まずは、改めて自分の教会を愛してください。そして、隣の教会、同じ地区内の教会、教団内の教会を知ってみてください。そこには愛すべき隣人がいます。まずは知るところから、始めていきましょう。
吉田達臣