副議長だより(教会だより2021年10月号)
2021.11.11
副議長だより『妖精の家』
この夏は休みをいただいて涼しいところで過ごすことができました。のんびりと自然を楽しみ、読みたい本を読み、ゆっくり流れる時を楽しむことができました。
そこは自然が豊かで、周りを散歩するだけでとても気持ちのいいところです。ある日、散歩する人も少ない小道を歩いていたときに、不思議な景色に遭遇しました。小さな川の流れのほとりに立つ大きな木の根元に妖精の家の扉があったのです。その可愛い扉の上には、「頭上注意。2、3歩、下がってから立ち上がってください」と書いてあります。扉の前のお庭にはミニチュアのブランコや洗濯干し、洗濯干しには可愛いドレスがかかっていて、庭にはテーブルも置いてあります。きれいなお花がお庭と小川の方まで植えられていて、雨がたくさん降っても庭が崩れないように水路が作られていました。
私は、しばらくそこに留まって写真を取ったりしながら、心は楽しくなり、これを作製した方の家をノックしたくなるほどときめいていました。その方の家の中には、きっとこの妖精の家の扉の向こうの景色があるだろうと思えたのです。
この妖精の家を作製なさったのはおそらくこの家の方だろうと思われる方のお家をノックすることはしませんでしたが、コロナ禍のなかで、人々の心が暗い方向ばかり見ているときに、こうして夢の物語を日常の中に描くことのできる人の心は、見知らぬ旅人がいつでも来て安らぐことのできる場を提供するのです。ファンタジーの豊かさは、人の心を惹きとめ、忘れていた夢の世界を思い出させてくれます。
このことは、今年の夏休みの思ってもいなかった大切な収穫でした。現実のあれこれに忙しく、頭の中には活字ばかりが飛び交っている私を、この小さな庭は、不思議な国のアリスのような世界に案内してくれました。この庭を次に訪れるときには、アフタヌーンティーのもてなしにあずかろうっと(^^)。
梁煕梅