議長だより(教会だより2022年4月号)
2022.4.12

議長だより

 教会だよりが発行されている時点で、ロシアのウクライナ侵攻がどのような状況になっているのか予測もつきません。ロシアが大義もなく、NATOの拡張によって追い込まれ、力によって現状変更しようとすることは、決して容認できないことです。ただ、色々なことを考えさせられます。私などは、真珠湾攻撃で太平洋戦争を始めたのは日本だが、日本が始めたというより、追い詰められてそうせざるを得ない状況を作られた、という教えられ方をしてきた気がします。この論法は、今のロシアと同じです。敵国の脅威から守るために、一つの地域を独立させて傀儡政権をたてたり、自国に併合させようというやり方は、日本が満州や韓国にしたやり方とよく似ています。民間人が何人も殺されているということが話題になっていますが、太平洋戦争で空襲や原爆で死んだ民間人はその何百倍か、何千倍かです。日本もアジアの民間人を殺し、その中には虐殺と表現されるものもありました。ロシア国内の情報統制、プロパガンダについても報道されていますが、日本も大本営発表があり、国民は東亜の平和のためと信じて戦いました。

 「なぜ21世紀にこのような振る舞いが」という思いもありますが、そう思うのもこの苦い歴史があるからだと思います。この十字架を背負わなければ、同じ過ちを繰り返したり、他国を不要に裁きすぎたりする気がします。

 平和のために、今困難を負っている人のために、自分に何ができるだろうと、自分の無力さに心痛められている方が多くいると思います。ILC(国際ルーテル協議会)やLWF(ルーテル世界連盟)から、ウクライナ避難民への支援献金や、平和のために共に祈ることが呼びかけられています。私たちもできる限りの支援をし、平和のために共に祈っていきましょう。

吉田達臣