議長だより(教会だより2022年12月号)
2022.12.20

もう12月になり、2022年も終わってしまうので、慌てて書いていますが、今年はルターが聖書を母国語に訳してから500年の年です。プロテスタント教会が広まった国から近代化が始まっていったと言われますが、その理由の一つにプロテスタント国は、識字率が飛躍的に上がっていったからだと言われています。グーテンベルグの活版印刷術が発明され、本の印刷術が発展したこともありますが、それと同時に読みたいものがあったことが識字率をあげたのだと思います。読みたいものとは、もちろん母国語に訳された聖書です。

聖書は決して読めばすぐに分かるものではありません。一瞬分かったと思っても、また迷宮に迷い込んだような気持にさせられます。でも聖書は私にとって、「分からないけど、分かりたい」ものです。クリスマスに東方の学者たちが、会いたい、一目見たい、そんな思いで長い旅をしてきました。当時の旅は、私たちの旅行とは全然違う、苦労の多いものだったと思います。それを乗り越えても会いたいと願う、そんな存在に出会えた人はそれだけで幸せだと思います。私にとって、分からないけど分かりたいと思わせてくれたものに出会えたことはとても幸いなことです。

クリスマスが近づいてきました。クリスマスが待ち遠しく思えることも喜びです。救い主が来てくださいます。喜び勇んで、礼拝に駆け付けたいと思います。

吉田達臣