キリストの心(教会だより2021年12月号)
2022.1.25

「光は暗闇に輝く」

 星の導きだけを頼りに救い主に出会う旅を続けた東方の博士たち。その旅路は彼らにとって最後まで見通しの定まらないものでした。星が導くというからには、おそらく、この人たちは夜しか旅ができなかったのではないかとも想像します。暗く見通しのきかない中を、足元もおぼつかないまま、一歩一歩進んでいくのが彼らの旅路であったのです。
この博士たちの旅路は、私たちの人生の旅路にも通じるところがあると思います。人生の旅路もまた見通しの定まらない旅路です。先の見通せない暗闇の中で右往左往する私たち。今、直面しているコロナ禍においても、これまでに経験のない状況下を、私たちは一体どうしたらよいのか、どこへ向かっていけばよいのかと日々不安や心配を募らせつつ歩みを進めてきました。
しかし聖書は告げます。「光は暗闇の中で輝いている」。「その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである」と。暗闇はまことの光を見出すとき。暗闇はまことの光に出会うとき。暗闇はまことの光に照らされるとき。そしてまことの光の下に新しく歩み出すとき。
このまことの光なるキリストを指し示すみことばにより、私たちの旅路は導かれます。この導きを信じて歩む私たちには、大きな喜びと慰めが約束されています。「あなたがたは悲しむが、その悲しみは喜びに変わる」。今年のクリスマス、私たち一人一人に神さまの確かな導き、祝福と恵みが豊かにありますように。
♪私たちが暗闇にとどまることのないように、キリストは光として世に来られた♪(教会讃美歌増補分冊Ⅰ49番より)

(竹の塚ルーテル教会牧師 江本 真理)