キリストの心(教会だより2022年5月号)
2022.5.19
「おかえりなさい」マタイ6章26
昨年の春、幼稚園の職員室で仕事をしていた時、換気扇のところから鳥の声が聞こえてきました。一羽の鳥が換気扇の外側に巣を作ったのです。その巣からはやがて雛鳥の声も聞こえてきました。母鳥がその巣の中で産卵をして、卵が孵ったのでした。
昨年、数年ぶりに幼稚園の園長職に復帰した私は、以前とは幼稚園の制度も変わり、私自身も歳を取り、なかなか働きについていけない寂しさや苛立ちを感じていました。ですから、職員室で聞こえる鳥のさえずり、そして雛の誕生の事実に、とても心温まり癒されました。
やがて鳥たちは巣立ち、声も聞こえなくなりました。しかし、今年の3月、雪解けが始まった頃、再び換気扇のところから鳥の声が聞こえてきました。そうです。昨春ここで産卵した母鳥か、ここから巣立った雛鳥が成長して戻ってきて、今年もまた巣を作ったのです。今年も来てくれたんだ?よく帰ってきたね。おかえりなさい!
幼稚園と教会堂の建築が間もなく始まろうという時、また、幼稚園で発生した感染症の対応に追われていた時のことでした。とても緊張をして、心身ともに疲れを感じていた中で、神さまが今年も私に慰めと癒しを与えてくださったのかなとの思いになりました。
来年の春には職員室は取り壊されてしまいます。新しい園舎にも鳥は来てくれるかな?それとも鳥が来てくれるような園庭を作っていただこうかな?
(大麻ルーテル教会牧師 白井真樹)