キリストの心(教会だより2023年7月号)
2023.7.18
旅人をもてなす
旅人をもてなすことを忘れてはなりません。そうすることで、ある人たちは、気づかずに天使たちをもてなしました。自分も一緒に捕らえられているつもりで、捕らわれている人たちを思いやり、また、自分も肉体を持っているのですから、虐げられている人たちを思いやりなさい
ヘブライ人への手紙13章2~3節
紛争や迫害によって祖国を追われ難民となった無数の人々が、受け入れ先が見つからないままさ迷っています。その数は避難民を含めると、現在1億300万ほど。国連は6月20日を難民の日と定め、世界が難民にもっと関心をよせ、より多くのかれらを自国に受け入れることを促しています。しかし、私たちが日常生活の中で、難民の苦悩に心を向けることはほとんどありません。そして私自身も、よく見つめると、自分の深い所に、「よそ者」に扉を閉じていようとする身勝手さが巣くっています。
「旅人をもてなすことを忘れてはなりません」、この勧めに私はどのように応えたらいいのでしょう。それはまず、「自分も一緒に捕らえられているつもりで」意識的にかれらの苦悩を具体的に知ろうとすることから始まるのかもしれません。私が暮らす藤沢にも難民が暮らしている。異なる言語や文化、肌の色、異なる神の名を持つかれらが、私の頑なな扉を変容させる友人になるということ。
初代教会の最も古いテキストの一つである「ディオグネトスへの手紙」に以下のような一節があります。「キリスト者にとっては、すべての外国は祖国であり、すべての祖国は外国です」。この原点に私は帰りたいと思います。
(鵠沼めぐみルーテル教会牧師 梁 煕梅)