キリストの心(教会だより2024年2月号)
2024.2.14
光
すべての人を照らすまことの光はこの世に来た
ヨハネ福音書1章9節
あまり聞き慣れない翻訳かもしれません。2011年出版フランシスコ会訳聖書からの引用です。わたしたちには今「その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである」という新共同訳聖書の翻訳に慣れ親しんでいます。けれど同じ聖書の言葉でも、翻訳によって違うイメージが生まれます。
「すべての人を照らすまことの光があって、世に来た。」
これは日本聖書協会1955年改訳の翻訳です。まだ多くの日本語聖書があります。その一つ一つの翻訳には、沢山の人たちの研究と討議が重ねられて生み出されました。
どのような物でも、光が当たらなければ、私たちには見ることができません。神さまは「光あれ」というみことばによって、世に光を与えられました。そこから世界は始まります。
どれほど美しい宝石も、原石のままでは強く輝きません。ていねいにカットされて、磨き上げられて美しく輝きます。いろいろ正確な角度から、規則正しく積み上げられた仕事が、差し込んだ光を、目に見える美に変化させるのです。もしもそこに何も無ければ、光はただその場を通過して行きます。何も無い空間では、光があることを知ることはできません。
イエス・キリストはここにおられる。そう宣言するために、私たちはみことばとともに、苦しむ人たちのもとに行きます。主があなたとともに。アーメン
(池上ルーテル教会・杉並聖真ルーテル教会牧師 北川逸英)