キリストの心(教会だより2024年10月号)
2024.10.16

キリストはわたしたちの平和

エフェソの信徒への手紙2章14節

 幼稚園の礼拝で今月は「みんなで平和」を歌っています。歌詞は「みんなで平和を祈ろう」の後に、様々な国の言語で「平和」が続きます。国旗を描いたカードを見て歌うからでしょうか、年長組の先生からこんな話を聞きました。

 運動会の万国旗を製作中、「戦争をしている国があるよ」「日本も戦争をしてたんだよ」「戦争はいやだな、平和がいい」と、子どもたちの声。この時「平和は英語で何?」と聞かれた先生は、みんなで英会話の先生に教えてもらうことにしました。

 さて、子どもたちの質問に、フィリピン人の先生からは「ヘイワ?ナンデスカ?」と、予想外の逆質問。「ええと、戦争じゃなくて…」。「No War デスカ?」。答えは「Peace」に落ち着いたものの、やり取りを見守っていた先生も、「平和」をどう説明しようかと、子どもと一緒に困ったそうです。

 改めて考えると「平和とは何か」の答えは一様ではなく、置かれた状況や経験によっても違う難しい問いです。今は、戦争がない世界が、真っ先に求められる平和でありましょう。

 キリストは十字架において、神様と人間の間の高い隔ての壁を取り壊してくださいました。なのにすぐ自分の前に壁を築き、外に敵意を向けて自分を守りたい心を我が内にも見ることです。人の間のあらゆる隔ての壁が打ち壊され、キリストの真の平和が実現しますように。

 主の平和。

(新発田ルーテルキリスト教会牧師 中川 祐子)