キリストの心(教会だより2025年1月号)
2025.1.28

『成長の途上にある』

「わたしは植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神です。ですから、大切なのは、植える者でも水を注ぐ者でもなく、成長させてくださる神です。」

(新共同訳)1コリント3章6~7節

 10月27日の宗教改革主日礼拝に東京神学大学教授の須田拓先生にお越しいただき、先生は礼拝説教と午後に講演をしてくださいました。講演の内容はルターとカルヴァン、ルーテル教会と改革派教会の成り立ちや神学の共通点と違いに触れ、同じプロテスタント教会の者として共にこれからどう歩んでいくのかというものでした。その中で「聖化(再生)」の教理について須田先生がカルヴァンの言葉を紹介しながら説明してくださり、カルヴァンの「(キリスト者は)信仰によって義とされているが、聖化の途上にある」という言葉に触れ、彼が信仰者(キリスト者)の「成長」を認めている(more and more)という内容が特に印象に残りました。

 「聖化」は神様(聖霊)の働きにおいて、生涯に渡って神の子へと造り変えられていくということですが、そこには日々の成長があるということが伺えます。私も教職として10年ぐらい働いてきましたが、仕事の経験は培ってきても、自分の内面(霊的側面)はどう成長しているのかと考えることがあります。けれど、成長させてくださるのは神様なので、成長のきっかけも神様が与えてくださっていることでしょう。日々の歩みへの感謝と共に、これからの新しい出来事との出会い、未知なるものとの遭遇においても自分が造り変えられ、成長するきっかけがそこにあるのだと思います。

 自分の考え(狭い考え、世界観)だけに固執せず、聖霊の導きにおいて神様が自分を造り変え、成長させてくださることを信じ、そして現在もその途上にあることを受け止めて、これからの新しい歩み、働きに務めてまいりたいと思います。

(六本木ルーテル教会牧師 藤木智広)