キリストの心(教会だより2025年4月号)
2025.4.16
体の復活を信じます
使徒言行録12章には「エルサレムのマリア」と呼ばれる女性が登場します。
「そうとわかるとペトロは、マルコと呼ばれていたヨハネの母マリアの家に行った。そこには、大勢の人が集まって祈っていた」(使徒12章12節)。
彼女の夫の名はありませんが、息子の名はヨハネ・マルコで、使徒パウロと伝道旅行に出かけています。また、パウロの伝道に協力したバルナバは彼女の従弟にあたります。彼女の信仰が息子のヨハネ・マルコと従弟のバルナバを主の働き人として育てたのでした。彼女は裕福な人で、キリストを信じる熱心な信徒であり、弟子たちに信頼されていました。彼女の家が、最初期教会の信徒たちの集会所となっていました。聖書に彼女の名は一度しか記されていませんが、最初期教会にとって彼女の働きはとても重要だったと考えられます。イエスの死後、男女の弟子たちが確かに体験したイエスの復活の出来事を経て、エルサレムにキリスト教会が誕生します。キリストの体を生きる教会の誕生です。
私たちは、毎週の礼拝の中で「体の復活を信じます」と告白します。「体の復活」を死後の世界のことと捉える考えもあります。しかし、今、この私の生身の現場で死と復活は起きています。私たちはキリストの死と復活を、体を通してあらわすように招かれた者なのです。現代の私たちはあまりに頭でっかちです。知識や理屈で一杯です。しかし、信仰は体で生きるものなのです。声をかける、手をつなぐ、肩を組む、扉を開く。
復活されたイエスへの信仰によって人々をもてなし、新しい始まりを生きた最初期教会の先輩たちの信仰に倣い、体を動かす教会になりたいのです。みなさま、イエス・キリストのご復活おめでとうございます。
(鵠沼めぐみルーテル教会牧師 梁 熙梅)