ご挨拶

聖書通読チャプレン 宮澤重徳

 主のみ名を賛美いたします

 来たる 2017 年 10 月 31 日に宗教改革 500 周年が訪れます。

マルティン・ルターがヴィッテンベルクの城教会の扉に 95 箇条の提題を掲げてから 500 年が経とうとしています。世界中のルーテル教会がこの日へ向けて、様々な計画をしています。私たち日本ルーテル教団も例外ではありません。その一つの柱が聖書通読です。

 ルーテル教会は、「聖書のみ、恵みのみ、信仰のみ」 という宗教改革の三大原理によって支えられていますが、この言葉の中でも聖書を信仰の基準とすることの大切さを教えています。また、聖書通読について、ルターは、「わたしはここ数年来聖書を2回通読している。聖書が大きな巨木で、すべての言葉が枝であるとしても、すべての枝を訪ねて、それが何であるか、何が含まれているか探りたい」(M.ルター著 植田兼義訳『卓上語録』教文館より ) と言いました。更に、聖書通読は、単なる知識の充填ではありません。ルターは、「聖書は、神の賜物や力に満ちている。…一言で言えば、聖書は、一切の試練や苦痛の際にも慰安に満ちた最高最善の書籍である。聖書は、単なる人間の理性が把握し得るのとはるかに違って、信仰、希望、及び愛を見たり聞いたり感じたりすることを、われらに教えるのだ」(M.ルター著 佐藤繁彦訳『ルッターの「卓上語録」』グロリヤ出版より ) と言っています。私自身、聖書通読を通して数え切れないほど慰め支えられました。

 とはいえ、一人で通読するのは、簡単ではありません。そこで、このたび、私たちは、多くの仲間と共に、1 日 2 章 ( 時には休憩を入れながら )、読み進める計画を立てました。ぜひ、ご参加くださり通読を成し遂げましょう。神さまのお守りとお導きを祈ります。

聖書に立ち帰る ☆聖書を読み、キリストの声を聞こう ☆その恵みをいただいて信徒の働きを生かそう

読み方の勧め

宗教改革500年記念 聖書通読事務局

 ルターは、祈り・黙想・試練によって聖書を読みなさいと記しています (『ドイツ語著作全集第一巻への自序』)。それはまず私の考えや理性によってではなく祈りによって聖書を読むことであり、次に何度も繰り返し神の言葉を読んで聖霊が何を訴えておられるのかを聴く心をもって読むことであり、そして現実の試練の中にこそ神の言葉の恵みが見出せると知って読むことであると理解することができます。このようにして、ルターは私たちに励ましと導きを与えてくれています。 雨も雪も、ひとたび天から降れば むなしく天に戻ることはない。 それは大地を潤し、芽を出させ、生い茂らせ 種蒔く人には種を与え 食べる人には糧を与える。 そのように、わたしの口から出るわたしの言葉も むなしくは、わたしのもとに戻らない。 それはわたしの望むことを成し遂げ わたしが与えた使命を必ず果たす。 (イザヤ書 55 章 10 節、11 節)

聖書通読スケジュール

≪読み始める前に≫

☆どのような場所であっても、まず静まりましょう。

☆日常からしばし離れる幸いを感じましょう。

☆この機会を与えてくださった主に感謝を祈りましょう。

☆み言葉が書かれたときに働かれた聖霊が、読もうとする今も同じように働いてくださることを祈りましょう。

☆新しい思いのうちに、今日の私、今の私に与えられるみ言葉として聞きましょう。

≪読んでいるとき≫

☆味わうように読みましょう。

☆神が私たちに語りかけてくださるのですから、「どうぞお話ください。僕は聞いております」(サムエル記上 3 章 10 節)このサムエルの心で読みましょう。

☆心の琴線に触れた言葉はもちろんですが、反対に聞きづらかったり、ひっかかったり、わからなかったりした言葉も同じように意味のあるみ言葉です。両方を心で感じ取りつつ読みましょう。

≪読み終えたあと≫

☆このみ言葉が私に何を訴えているのか思い巡らしましょう。

☆あるいは「どういうことですか」と主に尋ねてみるのも良いでしょう。

☆また明日(次回)もみ言葉に聞く機会が与えられるよう祈りましょう。

☆み言葉との親しい時間を感謝して終えます。

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